普段何気なく人が発している言葉には不思議な力があると思う。
たとえば医者が病人に「これは薬ですよ」と言って
小麦粉を練った団子を渡しても、
本当に薬のように働いて病気が治ることがある。
これは自己催眠というか自己暗示というか
ただ言葉の魔術にかかっているだけなのだが、
私はこういう言葉を大切にしている。
かける言葉も叱る言葉、約束といった自分で発するものもあれば、
他の人の歌や詩など自分ではない人の言葉を借りることもある。
言った本人が医者のように信じられる人でなければ効果がないから、
人に信じてもらえる人間に早くならないといけない。
無駄な努力か、言葉の真意を受け取ってもらえるか。
自分の度量がここで計れるのかもしれない。